2021年12月23日
知財高裁判決:懲戒請求書の全文引用は正当
永沢真平氏が私に対して提起した懲戒請求に関して、私は彼の懲戒請求書を全文引用したうえで反論しました。これに対して、永沢氏は、懲戒請求書は彼の未公表著作物であり、その全文引用は彼の著作権を侵害するとして、その削除と損害賠償を求める訴訟を提起しました。第1審東京地裁は、本年4月14日、永沢氏の主張を一部認めて、私にブログ記事の削除を命じました。私は、これを不服として控訴しました。
12月22日、知財高裁は、私どもの控訴を容れて、東京地裁判決を破棄したうえ、永沢氏の請求をすべて棄却しました。
知財高裁は、次のように述べて、永沢氏の著作権主張は権利濫用だと言いました。
なお、永沢氏の懲戒請求について、第二東京弁護士会は「懲戒不相当」と決定しています。
12月22日、知財高裁は、私どもの控訴を容れて、東京地裁判決を破棄したうえ、永沢氏の請求をすべて棄却しました。
知財高裁は、次のように述べて、永沢氏の著作権主張は権利濫用だと言いました。
一審被告高野が、本件リンクを張ることによって本件懲戒請求書の全文を引用したことは、一審原告[永沢氏]が自ら産経新聞社に本件懲戒請求書又はその内容に関する情報を提供して本件産経記事が産経新聞のニュースサイトに掲載されたなどの本件事案における個別的な事情のもとにおいては、本件懲戒請求に対する反論を公にする方法として相当なものであったと認められる。***一審原告が本件懲戒請求書に関して有する、公衆送信権により保護されるべき財産的利益、公表権により保護されるべき人格的利益はもとよりそれほど大きなものとはいえない上、一審原告自身の行動により相当程度減少していたこと、前記[…]のとおり、本件記事1[高野ブロクの記事]を作成、公表し、本件リンクを張ることについて、その目的は正当であったこと、[...]本件リンクによる引用の態様は、[…]本件懲戒請求に対する反論を公にする方法として相当なものであったことを総合考慮すると、一審原告の一審被告高野に対する公衆送信権及び公表権に基づく権利行使は、権利濫用にあたり許されないものと認めるのが相当である。
なお、永沢氏の懲戒請求について、第二東京弁護士会は「懲戒不相当」と決定しています。